手術麻酔
中央手術部には19室の手術室があり、心臓外科、呼吸器外科、
小児外科、脳神経外科など専門性の高い手術に加え、
TAVI(大動脈弁留置術)やロボット支援下手術など
最先端の医療技術を用いた手術など、様々な手術の麻酔管理を行っています。
全ての全身麻酔と大部分の脊椎くも膜下麻酔や
硬膜外麻酔も麻酔科で管理しており、
超音波ガイド下神経ブロックを併用する症例も多くあります。
超音波ガイド下神経ブロック
神経ブロックは手術によってもたらされる体に悪影響を与える痛みとストレス(精神的・肉体的に負担となる刺激や状況)を軽減することができます。
痛みをつかさどる神経は体表から深い部位を走行しており、直接見ることができません。
麻酔が行われるようになって150年間は神経ブロックは盲目的に行われ、成功率が低い手技でした。2005年から愛知医科大学病院麻酔科は日本の先駆者として超音波画像を神経ブロックに応用しました。超音波画像ガイドにより、注射針を神経や血管、重要な臓器に直接当てることなく局所麻酔薬を神経周囲に確実に注入することができます。
職人技神経ブロックから超音波画像ガイドにより科学的に成功率の高く効果的で安全な神経ブロックが行われるようになりました。
私たちは全身麻酔に超音波ガイド神経ブロックを併用して、医療のなかで最も体と心にストレスを与える手術医療をストレスの少ないものとしました。
超音波ガイド神経ブロックは手術前、手術中、そして手術後に痛みがない、麻酔からの回復が早い、患者さんの満足度の高い医療を提供して手術からの回復に寄与します。
ESP(脊柱起立筋膜面)block
斜角筋間ブロックの超音波画像
集中治療
中央手術部に隣接した周術期集中治療室(GICU)を22床設けており、術後の患者さん、院内で急変した患者さんや、重症の患者さんの管理を行っています。
術後より安全にモニタリングを行うことができ、また患者さんの鎮痛効果や吐き気などの症状、活動度などを見ることで、それを麻酔管理に生かすこともできます。
GICUに入室しない軽症の患者さんも中央手術部内にあるリカバリ室で安定するまで様子を観察してから病棟に移動するようにしています。
これらの施設の運用により、レベルの高い周術期医療と重症患者医療を効率的に行うことが可能となっています。
麻酔外来周術期センター
術前外来
手術前診察では、麻酔の方法・リスクについて、ビデオを使用しわかりやすく解説しています。
麻酔科医による問診、診察により患者さんの全身状態や合併症の把握をし各患者さんに見合った適切な麻酔方法を説明し、同意を得ています。
ハイリスク患者や麻酔困難症例については麻酔法を検討することで適切な術前管理を目指しています。